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ノルグライドの電着塗装ソリューション
電着塗装とは、通電させることで塗料をむらなく迅速に構造物に付着させる手法です。対象となる構造物のすべてをコーティングするには、それらに導電性を持たせる必要があります。
図1ー歩行者安全用のボンネット(フード)ヒンジ。赤色で示されている箇所が、ノルグライドが用いられている部分。すべての部品を塗装するには、対象となる部品すべてが電流を通す必要があります。
もしそのシステムに可動部がある場合、それらがヒンジによって接続されていることも珍しくないでしょう。ヒンジにはベアリングが使用され、つまり、ベアリングの相手部品双方を確実にコーティングするには、ベアリング自身が導電性を持つ必要があります。しかし、ベアリングそのものに完全な導電性がある場合、塗料がベアリングの隙間で相手部品の両方にまたがってしまいます。そのような「ペイントブリッジ」は、可動部品が動いた途端に破壊されるとともに、その周りのコーティングも巻き込んで剥がれてしまいます。塗装が剥がれ落ちれば、金属部分があらわになることで腐食の危険にさらされ、ヒンジシステムの固着や強度の低下の原因となります。
ノルグライドの電着塗装ソリューションに関する動画をご覧ください。
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また塗装の剥がれはそれ自体が望ましくないだけでなく、二次的な被害をもたらします。塗装ごみがエアブラシによって周囲に吹き飛ばされ、車体の表面のあちこちに付着して塗装不良の原因となり、最終的にリワークなどのコストや作業工数がかかる原因になるのです。
ノルグライドは、フッ素樹脂：ポリテトラフルオロエチレン（PTFE）を摺動層として備え、PTFEの充填材により用途に応じた適切な導電性を選択できます。電着塗装ごみの問題に対しては、このPTFE層の電気絶縁性を維持した上で、通電用の小さなノッチを裏金に通して通電性を確保します。
図2ーノルグライドのユニークなラミネート材の断面図。厚みのあるPTFEの層により、耐用年数を通じて一貫した性能が発揮されます。本用途の場合、ペイントブリッジを防止するために非導電性のPTFE層が用いられます。右のノルグライドLRベアリングには、導電性を確保するためのノッチが見てとれます。
その結果、コーティングに必要な通電性を確保すると同時に、相手部品接続部の絶縁によって、電着塗装工程における不具合の原因となるペイントブリッジ発生を排除することができます。本ソリューションを既存の導電性のあるベアリングに置き換えることで、塗装ごみの発生を大きく抑え、スムースで効率的な塗装作業を促すことができます。