新しいモデルがリリースされると、エンドユーザーにとって技術的な革新や新しい快適性がもたらされます。その一方で、各構成部品が満たさなければならない技術要件は複雑さを増しています。例えば、自動車の電気信号の受信能力である。当初はラジオの受信だけが目的でしたが、近年の自動車は、車内をシームレスに接続するニーズの高まりに対応するため、複数なアンテナをさまざまな場所に設置する必要があります。
次に考慮すべきは、車内のノイズです。自動車の静粛性の向上に伴い、電波受信品質の低下は、エンドユーザーの満足感に悪影響を及ぼす可能性があります。電波干渉の可能性は多く(電気モーター、充電回路、点火装置など)、電気的に絶縁されていたり、本体との接続が悪い金属部品は、電波受信品質の問題を引き起こす可能性があります。
電波受信を改善し、干渉を減らすために、OEMやティア1は、トランクやテールゲートのヒンジなど、車体に取り付けられたさまざまな部品を堅牢かつ確実に固定する必要があります。
現在では、テールゲートヒンジの可動部を通電可能なアース線で接続する方法があります。この方法はコストがかかりますが、車体側とドア側を完全かつ一貫して接続することができます。
そこで注目されるのが、リフトゲートヒンジのための新しい革新的なソリューション「スプリングライド」です。コストがかかるアース線を使用することなく、ヒンジに導電性(電位)を持たせることができます。
導電性を持たせるためのスプリングライド
スプリングライドは、ノルグライド ベアリングのPTFE(フッ素樹脂)コンパウンド技術とレンコール トレランスリングのばね技術を融合した、ユニークな高機能摺動材料です。ばねの公差・ミスアライメント吸収機能と、PTFEの高摺動性能が、「一貫した低フリクション」と「ガタつき・ノイズの低減」を両立します。
スプリングライドは、そのスプリング技術(弾性変形性)を利用して、相手部品への波の頂点の接触圧を一定に保つことができます。PTFE層は潤滑剤として機能し、低く安定した摺動・回転性能を維持することができます。
スプリングライド ウェーブデザイン
スプリングライドのアッセンブリイメージ
サンゴバンは、優れた性能を実現するためにシステムの最適化を行う必要性があることを理解しています。スプリングライドを使用することにより、テールゲートヒンジに導電性を持たせ、電波受信品質の改善と、潜在的なNVHの問題を排除することが可能です。また、PTFE層によって一貫した低いトルクを実現し、ヒンジの耐用年数にわたって求められる典型的なトルクレベルを達成します。部品点数が削減できることで、軽量化や組み立て工数の低減、トータルコストの低減にも貢献します。
当社のエンジニアとお客様のエンジニア同士でコラボレーションを通じて、お客様のプロジェクトのためにカスタムデザインされたエンジニアのためのソリューションを生み出します。もう「ガタつき/ノイズの低減」と「摩擦力の低減・安定化」のトレードオフの問題に頭を悩ませる必要はありません。ばねの公差・ミスアライメント吸収機能と、PTFEの高摺動性能が、「一貫した低フリクション」と「ガタつき・ノイズの低減」を両立します。
詳細については、makingabigdifference@saint-gobain.comもしくはコンタクトフォームまでお問い合わせください。